sugao2004-10-04

地下鉄の中で突如子供を抱えた女性が声を上げる。「ほんの小銭でも構いませんからこの子の食べ物を買うお金を恵んでください。神の祝福を。」乗り合わせた人々の表情が動く。同情を寄せるような女性達の目、ある男の瞳にはやり場のない怒りにも戦慄にも似た光が宿る。うつむく僕の横を女性は通り過ぎていった。
現在の日本においてこのようなこのような光景に出会うことはまずない。ここでは外を歩けば必ずぶつかる光景である。歴然とした不平等を目の前に私達の日常は流れてゆく。
お寺の前には低所得者の住む住宅群が点在し、お寺にお参りするお年寄りなどもよく強盗に遭っている。いたちごっこで打つ手は無い。こうした問題のしわ寄せは常に弱い立場のものにいく。