sugao2004-11-03

念願の『エグベルト・ジスモンチ』のコンサートへ行った。息子アレシャンドレとの共演で行われたこの度のShow(コンサート)。デビュー以来真の音楽家/芸術家として生き続けてきたジスモンチ。その芸術家としての苦労はただならぬものであったろう(彼の作品の大半は音楽家の食えないブラジルではなくドイツで発表されている)。その彼は一曲演奏するたびに立ち上がっては深々と聴衆に頭を下げるのであったが、まだ20代始めにも見える恥ずかしがり屋の息子はその度に父親と同じようにするよう催促されなくてはならなかった。ジスモンチの10弦ギターならびにピアノとアレシャンドレクラシックギターは難しい曲の展開もお構いなく、正にこれぞ親子なるがゆえか“あ・うんの呼吸”を見せ、静寂のなか紡ぎ出されるその音楽はブラジルの大地、風、そしてブラジル人そのものを思わせた。聞きやすくわかりやすくうるさい音が氾濫する今日において、音楽家ジスモンチの音楽は胸を捕らえた。